BCPは何のために策定するのか?

“BCPは何のために策定するのか?” - これは古くて新しい永遠のテーマとなっているが、今一度、立ち止まって考えてみたい。

BCP策定にあたってよく聞かれる理由・動機には以下のものがある。

●過去の災害・事故の経験から
今年元日に発生した「能登半島地震」でもおわかりのように、大震災が起きた直後は「BCP策定機運」が一気に盛り上がる。それ以前にも阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震を始め大きな地震が発生した際には“自社でもBCPを作ろう”、といった気持ちが芽生えて作ることが多くなる傾向にあった。

●親会社や取引先の要請
かつてこの理由で策定した企業は圧倒的に多かった。特に自動車業界など裾野が広く、サプライチェーンが求められる世界ではBCPを作っておくことがリスクヘッジになるため、マストアイテムとして親会社を頂点に子会社・協力会社など万遍なく策定していた時期があったがこの業界は最近ではほぼ策定済みである。

●取引先からの取引条件
この理由もきわめて消極的な策定動機ではあるが、確実に存在した理由のひとつである。かつて、ISOを取得していなければ取引には応じないと言われてやむなくISOを取得した企業があったが、構図としてはまったく同じだ。

●経営トップの決断
上記3つの策定理由に比べれば少数ではあるが確実に存在する。やはり本来の策定動機としては一番まっとうなものである。なぜなら外からの環境変化によらず、経営者が経営判断として自らが経営計画として作ろうとするわけであるから、計画の中身も一番よいものができるはずなのだ。

このように策定理由・動機にも様々ないきさつがあるわけだが、肝心なのは策定自体が目的ではなく、策定した後、その計画をどのように運用するかのほうがよほど重要であるので策定済みの会社は作って安心していてはいけない。

2024年6月9日