“盛り土リスク”を考える

阪神・淡路大震災が発生してから1月17日で28年を迎えることになる。当時は地震による建物倒壊や火災がクローズアップされたが、実は「盛土」の崩壊による土砂災害で大きな事故が発生していたのは意外と知られていない。

NHKで1月14日放送の『住宅地に潜む 盛土リスク』では「盛り土」に焦点を当てた内容で阪神・淡路大震災で起きた土砂災害から他の自然災害とは違う「盛土」の怖さに迫っていた。

そもそも日本は国土面積の狭さから土地を有効活用すべく谷だった部分は“谷埋め盛土”、傾斜地を平地にするための“腹付け盛土”などを行い、宅地を形成してきた歴史がある。

それがある時、地震や大雨が発生したことにより突然、土砂崩れが起こるのだ。阪神・淡路大震災をはじめ、東日本大震災・中越地震・熊本地震・北海道胆振東部地震など地震には必ずといっていいほど「土砂災害」が付いてまわっている。

日本各地には大規模な盛土と思われる箇所が約51,000もあるそうだ。すべてがすぐに崩壊することはないだろうが、ただ、そのうちどこが本当に危険なのかは不明である。

今でも道路のひびやよう壁から水のモレ具合で危険の度合いがわかるそうだ。かつての宅地開発の結果、その多くは住宅地に危険が潜むと考えられているが、同時に事業所も盛土と思われる箇所にも多く立地している。

既に立地している場合は現状の改良作業は必要であるが、抜本的に現状を改善できない場合はリスクの分散も考えて何があっても“事業継続”できる体制は整えておく状態にしておかなくてはならない。

2023年1月15日